「練習場でもすごく悪かった」とショットの状態に不安を抱えていた。スタート前の練習場で必ず2度に分けて握るドライバー。「練習は絶好調だった」という前日のように感触が良ければ合わせて2、3球で切り上げる。この日はなかなか納得できず、10球を要した。同じ左からの風が吹いていた3日前は、3番アイアンでフェアウエー中央を捉えていたが「難しいというか、すごく気を使う感じだったんですけど、やっぱりうまくいかなかった」。フェアウエーキープ率は4日間で最も悪い36%。「ショットが不安定だった。それに尽きます」と首を振った。

 優勝だけを狙う松山からすれば、気持ちを奮い立たせるのも難しいであろう絶望的な10打差から17ホール。必死に粘り、14番で3メートルのパーパット、17番でもバンカーショットがショートした後のバーディーパットを何とかねじ込んだ。4日間で3パットはなく、平均パット数1・54は全体9位。グリーン上は優勝したパット巧者スピースを上回るスタッツを記録した。

 「自分の技術のなさ。残念な1週間」と総括し「きっかけをつかめそうだったのが、またなくなってしまった。次、何をしなければいけないかを考えたい」。8月3日開幕のブリヂストン招待に向け、ショットの立て直しに思考を巡らせた。その翌週には今季最後のメジャーがある。歩みは止めない。