世界ランク3位の松山英樹(25=LEXUS)は7バーディー、6ボギーの69で回り、1アンダーで首位と4打差の15位となった。

 この日最多となる7バーディーを奪った一方、6つのボギーという出入りの激しい内容。「なかなか珍しいゴルフしてますよね。5バーディー、5ボギーくらいはあってもね。(バーディーを)7個取って6個ボギーは、なかなかないですよね。まあ、ダボ(ダブルボギー)とかなかったので良かったなと思います」と振り返った。

 最大の注目はグリーン上。松山といえば長く愛用しているスコッティキャメロンのピン型のイメージが強いが、練習ラウンドからテストを重ねたテーラーメイドのマレット型を投入した。「昨日から決めていた」というパターでスタートの10番から7メートルを沈めてバーディー。13番ではグリーン奥からピンに向かって下る難しいアプローチをねじ込むチップインバーディーを決め、そこから4連続で取って一時は単独首位に立った。

 後半7番で3パットボギー、9番では1・5メートルのパーパットが決まらず、大満足とはいかなかったものの「前半は良かったんで、自分のオプションが1つ増えたかなって感じですね。明日からどうするか、まだ決めてないですけど」。ラウンド後もエースと2本態勢で練習を行ったように、選択肢に加える価値はあると判断したようだ。

 ショットの見せ場は、ドライバーを大きく右に曲げた6番。グリーン方向には大木がそびえ、トラブルを覚悟する場面でも動じない。枝葉の間に見つけたわずかな空間を8番アイアンで正確に抜き、グリーンサイドまで運んでパーを拾った。「まあ、いけるだろうと。レイアップしてダボ打つより、狙ってダボ打つ方がいいなって。何か、自信あったんで。とりあえず通れば、グリーン周りにいって、あわよくばチャンスにつくなというのはイメージできてたんで」。本人は事もなげに解説したが、ギャラリーの拍手喝采を誘うスーパーショットだった。

 フェアウエーキープ率35・71%は部門別53位。暴れたティーショットをカバーしていたパットも「1回外すと、なかなかうまく修正しきれなかった。上がり3ホールがもったいなかった」と後半に変化が生じた。それだけ不満を抱えながらの4打差は悪くない位置ともいえる。「離されないように。いいゴルフができれば少しは差を縮められると思うんで、そうなるようにしたい」と話し、その足で練習場へ向かった。