日本男子初のメジャー制覇を狙う世界ランク3位の松山英樹(25=LEXUS)は6バーディー、5ボギーの70で回り、1アンダーで首位と3打差の15位発進となった。

 「ギリギリまで迷ってました」というパター。エースではなく前週ブリヂストン招待を勝った時と同じテーラーメイドのマレット型を投入し、いきなりスタートの10番で16メートルのバーディーパットを沈めた。「あれで目が覚めました」。続く11番でも難しい下りの3・5メートルをねじ込み連続バーディーで滑り出した。

 最高のスタートを切った裏で不安を抱えていた。「あんまり調子良くないんで、いつかは外すだろうなと思ってやっていたのが、途中で来てしまった」。さらに想定外の晴天で、高速グリーンはさらに厄介な状態へと姿を変えていった。後半3番から3連続ボギー。特に4、5番は1メートルもないショートパットを外した。

 それでも、悪い流れのままで終わらないのが松山。7番は80センチのバーディーパットを丁寧に沈めた。「(5番で)“お先”して外しているので、ちょっと慎重になりました」。8番も取ると、9番も15メートルを流し込んで3連続バーディー締め。「(9番は)パーで上がれたらいいと思っていた。ホントにラッキー。自分が読んでいるラインと逆の方向にいって入った。(進藤)大典さん、さまさまですね」。力強いガッツポーズの後、進藤大典キャディーと拳を合わせた。

 「ほとんどいいショットがなかった」と振り返る中でも3番ウッドで1・5メートルのイーグルチャンスにつけた15番の第2打など随所で納得いく一打もあった。「前半の感じだったらもうちょっと伸ばしたかったなって感じはありましたけど、後半の途中の感じだったらよく戻せたなって感じですね」と及第点のアンダーパー。悲願に向け、上々のスタートとなった。