世界ランク3位の松山英樹(25=LEXUS)が6バーディー、5ボギーの70で回り、1アンダーで首位と3打差の15位発進となった。一時は3連続ボギーでオーバーパーまで後退しながら、3連続バーディー締めでカムバック。上々のスタートを切った。

 7番、80センチのバーディーパットを松山は丁寧に打って沈めた。「(5番で)“お先”して外しているので、慎重になりました」。8番も取り、9番は15メートルを決めて3連続。「パーで上がれたらいいと思っていた。自分が読んだラインと逆の方向にいって入った。(進藤)大典さん、さまさまですね」。力強いガッツポーズから進藤大典キャディー(37)と拳を合わせた。

 前週ブリヂストン招待を勝った時と同じマレット型パター投入は「ギリギリまで迷ってました」と振り返る。いきなり10番で16メートルがカップに消えて「目が覚めました」。続く11番も入れて連続バーディーで滑り出した。「あんまり調子良くないんで、いつかは外すだろうなと思っていたのが途中で来てしまった」。後半、1メートルに満たないショートパットを外した4、5番は危惧していたミス。10メートル超のロングパットを2度決めても合計31パットを要した。

 そんな中、ブリヂストン招待最終日に「最後3つ取れば、そのスコア(61)になるとは思ってました」と意識してウッズ(米国)の記録に並んでみせた時と同じ3連続バーディー締め。午前7時45分という早いスタートで、早朝からトレーニングで体を動かして臨んでいた。実は今季午後スタート時の平均スコア(68・71)がツアーNO・1であるのに対し、午前スタートは65位の70・50。今季メジャー全4試合が午前→午後のスタート順となっており、少し苦手な傾向のある早いスタートを終盤の底力で乗り切れたのは大きい。

 「ほとんどいいショットがなかった」と言いつつ硬いグリーンを外したのは4ホールだけ。15番パー5では3番ウッドで1・5メートルのイーグルチャンスにつけるスーパーショットも見せた。「前半の感じだったらもうちょっと伸ばしたかったなって感じはありましたけど、後半途中の感じだったらよく戻せたなって感じですね」。あの松山が及第点をつけたことが何よりだ。【亀山泰宏】

 ◆スタート時間と平均スコア 午前スタートで最もいい平均スコアを記録しているのがファウラー(米国)で68・60。そのファウラーも午後スタートは28位の70・28とやや苦しむ傾向にある。世界ランク1位D・ジョンソン(米国)は午前51位(70・33)、午後5位(69・45)で松山と同じ“昼型”。世界ランク2位スピース(米国)は午前3位(68・96)、午後4位(69・26)というオールラウンダー。遅い時間のスコアメークで強みを見せる松山は、決勝ラウンドで上位陣が午後スタートになる米国の試合向きともいえる。