松山英樹(25=LEXUS)が17年のメジャーでの戦いを終えた。今季メジャー4試合の平均スコア「70」は、世界ランクトップ10で最高の数字。さまざまなコースへの対応力と安定感、大舞台にしっかりと調子を合わせるコンディショニングが際立つ。来年4月のマスターズから、再び頂点を目指す。

 今季のメジャーが終わり、あらためて松山のすごさが浮き彫りとなった。4試合の平均スコアは、全米オープン覇者ケプカ(米国)の「69・9375」に次ぎ、クーチャー(米国)と並ぶ2位。世界ランクトップ10では最も安定した戦いを見せてきた。

 開催コース、時期、気候…全てが異なる4度の大舞台で年間を通じて結果を残し続けるのは容易ではない。3月に世界選手権シリーズで連勝するなど「無敵」と称された世界ランク1位D・ジョンソン(米国)は、4月のマスターズ開幕前日に腰を痛めて棄権。その後のメジャー3試合は優勝争いに絡めなかった。大きなケガなく過酷なツアーを戦いながら大一番へ状態を上げていく調整の質、綿密な下調べに裏打ちされたコース攻略法の確立は松山を含めたチーム力の賜(たまもの)。大会期間中も圧倒的練習量を維持して技術的な修正を施せるから、4試合全てでチャンスがある。

 「やっぱり場数が増えていけば、それだけチャンスも増えているということなので、その1回に当たるように、もっともっとチャンスを増やしたいなと思います」。この日松山が言った「場数」を増やせる安定感は揺るぎない。今季米ツアーのポイントレースでトップに立って「総合王者」に突き進む男は、メジャーの舞台でもそれに近い位置にいる。