宮里藍(32=サントリー)が、涙で現役生活に別れを告げた。首位と8打差の27位から出た最終日は2バーディー、4ボギーの73で回り、通算1オーバーの214で32位。18番グリーンでは感極まって泣いた。メジャー制覇の夢はかなわなかったが「自分自身にお疲れさまと言いたい」。世界から愛されたプレーヤーが、コースから去った。

 去りゆく宮里へ、すてきな舞台が用意された。予選突破を決めた16日の夜。コース近くにあるホテルでソレンスタムの式典が開かれた。そこに招かれ、05年からの軌跡が映像で紹介された。09、11年と2度のエビアン優勝も映しだされ、来賓から拍手を浴びる。宮里は、流ちょうな英語でスピーチした。「ゴルフ人生の全てをここで語りたいけれど、米ツアーでの12年間を話すには2時間もかかってしまう。家族、友達、スタッフ、みんなのサポートがなければ、ここまで来ることはできなかった」。最初は笑顔だったが途中で感極まった。「私の旅はここで終わります」。そうスピーチした宮里は、大会のアンバサダーに任命された。