松山英樹(25=LEXUS)が4バーディー、2ボギーの68で回り、通算3オーバーの143で首位と10打差の26位となった。

 出場30選手中29位と大きく出遅れた前日はフェアウエーキープ率が部門別最下位の21・43%に低迷するなどショットの安定感を欠いた。この日はフェアウエーキープ率が60%近くまで持ち直し、グリーンを外したのも4ホールだけ。「フェアウエーも昨日よりはいってますし、アイアンもすごく切れていたので、ホントに最低限のゴルフかなって感じですね」と、完璧主義者の松山がギリギリ及第点をつけられる内容だった。

 スタート前の練習でも修正点を模索していたという。「(朝の練習場で)やることを全然変えた。それがうまくいったなって感じです。(変えたのは)全部です」。大胆な変更プランを実行に移せるのも、それだけの積み重ねをしてきたからこそ。3番で残り137ヤードからの第2打を1メートルにつけてバーディーを先行させると、8番でも残り149ヤードの第2打がピンそばにピタリ。難なくバーディーとした。

 「爆発できるような内容でこのスコア」と表現した通り、バーディーを奪ったホール以外でもアイアンショットはピンに絡み続けた。それだけに「悪いパットはしていないんですけど、なかなか入ってくれない」とグリーン上については首をひねる。9番パー3は2メートルのバーディーチャンスから3パットボギー。後半も惜しいパットが一向にカップへ消えてくれない。“お先”のバーディーで締めた18番以外は8つのパーが並び「(パットは)これが普通ですよ、僕の」と自虐ネタで笑わせた。

 スタッツはまさに対照的だった。各部門のスコアに対する貢献度を示す「ストロークス・ゲインド」ではパー3のティーショット、パー4およびパー5の第2打に特化した「アプローチ・ザ・グリーン」が「4・541」でこの日NO・1の数値を記録。一方でパットは「マイナス3・947」で最下位に沈んだ。

 ポイントランク7位からボーナス1000万ドル(約11億円)がかかる総合王者には、今大会の単独2位以上が必須。ポイントランク2位ジャスティン・トーマス(米国)が首位タイに浮上するなど、さらに状況は厳しくなった。「いいプレーができれば上には行けますし、そうでなかったら下に行くだけ」。1つでも上を目指し、目の前の一打に全力を注ぐ。

 ◆松山の総合王者戴冠条件 ポイントランク7位の松山はツアー選手権で優勝した上で(1)ポイントランク1位スピースが3人タイの2位以下(2)ポイントランク2位トーマスが2位タイ以下、という2つの条件を満たせば逆転で総合王者に輝く。単独2位でもポイントランク上位選手の動向次第でわずかに可能性は残る。