また女子高生アマチュアが躍進した。岡山・操山高2年の小倉彩愛(さえ、17)が首位と2打差の暫定3位に浮上した。2アンダーの19位で出ると前半4番でのホールインワンを達成するなど1イーグル、5バーディー、2ボギーの67で回り、通算7アンダーの137で予選通過も確実にした。第1日残り競技も行われた影響で日没サスペンデッドとなり、51人が競技を終えられなかった。

 公式戦で初めて決めたエースで勢いづいた。前半の4番パー3。小倉はバッグから5番ユーティリティーを抜いた。グリーンほぼ真ん中にあるピンを狙った第1打。ピン奥に3メートルほどオーバーしたボールは傾斜で戻ってカップに入った。ギャラリーの大歓声でホールインワンを確認すると「その後のプレーでボギーしないように」。大会4人目となるアマチュア選手の快挙に浮かれなかった。

 先月の日本女子オープン最終予選に初出場し、4位で出場切符を得た。プロのレギュラーツアーも初出場となるものの「緊張はなく楽しい」と後半も4バーディーを奪った。パーオン失敗も18番のみ。同ホールでバンカーに入れてボギーをたたくと「今日のプレーは90点。10点は最終ホールが悔しかったから」と気を引き締めた。昨年大会でアマチュアだった畑岡が17歳263日の最年少で優勝したことで「今はアマが活躍している。自分もいけるかなと」。大舞台に臆するそぶりはなかった。

 4歳の時、家にあったジュニア選手用クラブを握ってゴルフを始めた。約600坪の広大な自宅の庭にある両親手製のアプローチ練習場とバンカーで、ショートゲームを磨いた。高校進学も練習時間を確保するため、通信制を選択し「勉強とゴルフを両立できています」と自信に満ちた表情。

 もし優勝すれば17歳28日で畑岡の最年少優勝記録を更新する。「ピンの位置でスコアが左右されるコース。しっかりマネジメントできれば」。17歳らしからぬ冷静沈着な女子高生が優勝争いに名乗りを上げた。【藤中栄二】

 ◆日本女子オープンのホールインワン 1969年(昭44)の樋口久子が第1号。小倉は19人目で、通算20回達成されている。アマチュアでは4人目。

 ◆小倉彩愛(おぐら・さえ)2000年(平12)9月3日、岡山・総社市生まれ。4歳からクラブを握り始め、阿曽小4年頃から本格的にゴルフを始める。総社東中時代の15年に日本ジュニア女子12~14歳の部で優勝。得意クラブはパターとウエッジ。操山高卒業後にプロテストを受験する意向。彩愛は両親が画数と音の響きを考慮して命名。尊敬する選手はイ・ボミ(韓国)。家族は両親と姉。159センチ、48キロ。血液型はA。