男子ゴルフの三井住友VISA太平洋マスターズ(9日開幕、静岡・太平洋C御殿場C)のプロアマ戦が8日、同コースで行われた。

 残り4試合と佳境を迎える賞金王争いでトップのチャン・キム(27=米国)と特に激しい火花を散らすのが、池田勇太(31=フリー)宮里優作(37=フリー)小平智(28=Admiral)の3人だ。

 2年連続の賞金王がかかる2位池田は、これまで13年大会の8位が唯一のトップ10入りと少し苦手にしているコース。「グリーンが全く読めない。50センチ以内につけば入りそうだけど…」と笑いつつ自然体を貫く。次戦は昨年ブルックス・ケプカ(米国)と壮絶な優勝争いの末に2位となったダンロップ・フェニックス、その翌週は昨年優勝しているカシオ・ワールドオープン、そして最終戦の日本シリーズJT杯も昨年2位。得意な試合が続くだけに「来週以降が本番かな」と冗談めかすものの、もちろん目の前の一戦を譲るつもりはない。

 ツアー史上初となる現職選手会長での賞金王へ3位につける宮里優は01年にアマチュアながら2位に入ったこともある大会。昨年も5位となったが「なかなか優勝にたどりつかない。そろそろ結果を出したい」と貪欲に頂点を狙う。「これを皮切りにラストスパートをかけたい。あと4試合で2回、半分は優勝争いをしたい」と青写真を描いた。

 4位の小平は「世界ランクを上げるには、これから最低でも1勝はしないと」。来年4月のマスターズに直結する年内の世界ランク50位入りにつながる結果を残せれば、おのずと初戴冠も近づく。プロアマ戦には3月に結婚した08年賞金女王の古閑美保も出場した。史上初の「夫婦賞金王」も視界に捉える2人は、ホールアウト後のパッティンググリーンで仲むつまじい2ショットを披露。リラックスムードを漂わせた後で「昔からテレビで見ていたコース。ここで優勝したい思いが強い」と力を込めた。

 残る4試合の優勝賞金はいずれも4000万円と高額。最後までもつれる展開が見込まれる中、まずは富士の裾野でC・キムに待ったをかけたい。