小平智(28=Admiral)は5バーディー、4ボギー、1ダブルボギーの73で回り、通算イーブンパー、280の32位で米ツアー優勝から初の試合を終えた。2週後のプレーヤーズ選手権(フロリダ州)から米ツアーに専念。憧れの舞台での飛躍を誓った。09年全米プロ覇者で今季から再び日本ツアーに参戦しているY・E・ヤン(46=韓国)が、12アンダーで12年ぶりとなるツアー通算5勝目を挙げた。

 小平はいきなり連続バーディーで滑りだした。2番はサブグリーンのエッジからロブショットでピタリ。「(キャディーの)大溝さんと『すごい球だな』と言い合ってました」と笑顔で胸を張った。技を見せつけた直後、3番のダブルボギーで後退。「日本は日本の難しさがある。適応能力を上げ、どんなところでも戦える選手になりたい。いい勉強になった」と言った。

 同組だった谷口には米ツアーVのお祝いも兼ねて食事をごちそうしてもらったばかり。円熟のプレーだけでなく「50歳で『お前たち(若手)には負けねえ』って言って(実際に)やってるのは、ホントにすごい」と心意気から刺激を受けた。ホールアウト時は「米国で頑張ってこいよ」と短い激励を受けた。「ひと言ですけど、いろいろな意味が詰まっていたと思う。うれしかった」とかみしめた。

 再び日本の試合に出られるのは、早くても秋以降。前日に同組だったY・E・ヤンは「ヒデキ・マツヤマみたいになれるのではないかと思う」と可能性を語る。「みんなに忘れられないよう、1勝目がまぐれと言われないよう、米国で頑張ってきます」。大きな志で海を渡る。【亀山泰宏】