ディフェンディングチャンピオンの松山英樹(26=LEXUS)は1イーグル、2バーディー、4ボギー、1ダブルボギーの72とスコアを落とし、通算1オーバーの281で39位で大会を終えた。

 2番パー5で5メートルに2オンし、イーグルを奪取。続く3番もティーショットからグリーン上までうまくつなぎ、バーディーとした。ショートホールの5番も取って漂ったチャージの雰囲気が、6番で一変する。左に曲げたドライバーショットが木の根元へ。横に出すだけとなった後、第3打を左のバンカーに入れた時には怒りをあらわにした。4オン2パットのダブルボギーに「今週ティーショットが曲がるのは分かりきっていたのでいい。3打目とか、ラフからのショットで自分が想像している倍くらい悪い、とんでもないミスが出る」と嘆いた。

 後半になって精彩を欠く場面も出たパットを含め「前半うまくいっていても、後半、いきなりプツンと切れてしまったりとか…。ちょっと違和感を感じたら、最後まで悪いままで終わってしまう」。猛練習を積み重ね、求めている感触に近づいてきていると思ったら、一瞬で消えてしまうもどかしさ。「練習方法もいろいろ考えてるけど、いい方向にいかない。自分の良かった時のフィーリングとか、結果が出てた時のスイングとかと比べても多少の違いはあるけど、そこまでひどいスイングしてるかっていうと、そうでもない。何をしたらいいのか分からない感じ」と首をひねる。

 初めて同組で回ったタイガー・ウッズ(米国)に「61」を目の前で見せつけられたのが5年前。昨年最終日は、その偉大なコース記録に並んで衝撃の優勝を飾った。思い出深い、このコースで世界選手権シリーズが開催されるのは今年で最後。「いい終わり方をしたかったんですけど、なかなかうまくいかない。やっぱり難しい、厳しいコースだった」と言った後で「去年、自分がいいプレーができればここでも勝てるんだと分かったのがうれしかった。ただ、現実はこうやって下の方でいいスコアでも回れないような状況。難しいコースでもスコアが出せるようなゴルフに早く戻りたい」と思いがあふれた。

 次週の全米プロ選手権(ミズーリ州)に向け「無理でしょうね。(いい状態が)続かないので。予選落ちすると思う。もう、僕に期待しないでください」。第一人者として日本ゴルフ界の悲願を託されて久しい。誰よりも重圧にさらされながら戦ってきた。少しだけ本音を吐き出しつつ「そんなことを言っても試合はある。しっかりといいものが出せるように頑張りたい」。メジャー最終戦の開幕は4日後だ。