悪天候で順延となった第2ラウンドの残りと第3ラウンドが行われ、7打差25位で決勝ラウンドへ進んだ松山英樹(26=LEXUS)は3バーディー、4ボギー、1ダブルボギーの73とスコアを落とし、通算イーブンパーの210で63位に後退した。

 午前7時に11番から出た第2ラウンドはバーディー発進。10位タイまでリーダーボードを駆け上がって迎えた最終18番、バンカーからの第3打を奥のラフまでこぼしてダブルボギーとした。続く第3ラウンドはスタートの1番で右ラフから7番アイアンの第2打がフライヤーでグリーン奥のスタンドまで飛んだ。「打った瞬間、まずいと思った」というボールはスタンドで跳ね、隣接する2番ホールまで転がった。ウエッジを力いっぱい振り抜き、驚異的な高さを出して前方の木を越えるリカバリーショットから“スーパーボギー”に収めたが、一貫してティーショットの制御に苦しんだ。

 予選ラウンドはいずれも10ホールを数えたフェアウエーキープは5ホールにとどまり、部門別ランクでは決勝ラウンド進出80選手中79位タイに沈んだ。「やっぱり、ラフに入ってしまうと難しくなるのは間違いない。フェアウエーキープできなかったのが、全てだと思います」。後半13番パー3ではキャリーで入れた奥のラフから1打で乗せられず、ダブルボギーをたたいた。「全てがうまくいかない状況なので、ああいう状況になると余計苦しくなるというか、なかなか(小技も)まとめられないなって感じですね」と視線を落とした。

 スイングについて「日替わり」と説明したように、模索が続く。予選ラウンドでは安定していたティーショットも「まず、感触は良くなっていない。たまたまフェアウエーにいっていただけ」。必ずしも手応えには結びついていなかったと強調する。手に残る感触は決して悪くないショットが結果的にラフへ入ってしまうこともある。「それも、自分の実力なので」と受け止めた。

 26ホールを回った後でもドライビングレンジに直行。打点をそろえるためか、ティーアップしない“直ドラ”を繰り返し、午後6時前に引き揚げた。この日の早朝、照明を頼りにパット練習場でボールを転がし始めた時は、まだ午前5時30分を回っていなかった。「何か1つでも、いいきっかけを見つけていければ」。妥協なきトライが実を結ぶ瞬間を信じ、歯を食いしばって戦う。