先月のプロテストに合格したばかりの大里桃子(20=フリー)がツアー初勝利を飾った。

 テスト合格から初優勝までの日数、23日は最短記録となる。今季前半戦は単年登録で出場し、6月のヨネックス・レディースの6位が唯一のトップ10入りだった大里は「優勝の実感がないです。無我夢中で打っていました。こんなにヘタクソなのに優勝していいのかなと思ってしまって」と謙虚な姿勢で優勝の味をかみしめた。

 1番パー5でバーディー発進しながら、その後、バーディーを奪えずに8、9番で連続ボギー。「自分で何をやっているんだと思った」と振り返る。同組で回った2位の森田遥が14、15番で連続バーディーを奪うと1打差となった。大里は「ヤバイと緊張しました。でも私はまだ1年目。負けても悔いはないと思ったら吹っ切れました」。最終18番パー5の3打目。ピンまで残り105ヤードからピッチングウエッジで狙ったアプローチは約20センチにピタリと寄ってバーディー締め。「こんなに早く優勝できるとは思っていなかった」。3バーディー、3ボギーの73とパープレーでしのぎ「苦しいゴルフでしたが、最後にバーディーを取れて、良い思い出になりました」と素直に喜んだ。

 勝みなみ、新垣比菜、小祝さくら、米ツアーを主戦場とする畑岡奈紗らと同じ学年の“黄金世代”。大里は「みなみちゃんが高校1年で優勝した時も、その場にいて悔しかった。比菜ちゃんも優勝して、さくらちゃんも優勝争いを続けていた。燃えるではないですけど、私も負けられないと思っていた」と胸の内も明かした。キャディーを務める父充さん(52)は「もともと強気。気の強さがあるから今日も18番の(3打目の)ショットがあったと。ジュニアの頃から同級生に負けたくないと言っていた」を明かした。

 ツアー初優勝で来年のシード権も獲得した。同じ熊本県出身の鬼沢信子を尊敬する選手に挙げる大里は「熊本出身の先輩ゴルファーを目標に、追いつけるように。これからもっともっと練習して、チャンスは少ないですけれど早く2勝目を挙げられるように」と意欲を示していた。