木下裕太(32=フリー)は池田勇太(32)に2アンド1で敗れ、4強入りはならなかった。

同郷で1つ年上の池田は、同じジュニアスクールでともに腕を磨いた「憧れの大先輩」。1番で下りのバーディートライが2メートル以上オーバーし、3パットボギーで先行を許した。「前半は全部取られるんじゃないかと思った」。池田のミスに乗じて8、9番を取り、13番のバーディーで一時は1ダウンまで巻き返した。「『もしかしたら…』というところまではいけたんですけど、その後の勝負どころをちゃんと決められた。勝ってる人は、要所でこういう締まったゴルフをするんだ、と。自分が常にそんなゴルフをしていたら、精神的にハゲるんじゃないかと思いました」と苦笑交じりに言った。最後は通算19勝の底力に屈した。

両親が応援に駆けつけていた。「最後まで、諦めないようにだけはしようと思って」。悔やんだのは16番。「取るしかない状況で先にチャンスにつけられて、その内側につけることはできたんですけど、入れることができなかった。下手だな、と。取っていたら、1ダウン。向こうもいら立って、ミスしてくれたかもしれないのに…」とつぶやいた。

まだ大会は終わっていない。8日の5位タイ決定戦に勝てば、賞金900万円の上積みとなり、初シードはグッと近づく。「勇太さんも『楽しかった』と言ってくれた。明日、勝って終わりたい」と力を込めた。