賞金ランク1位の今平周吾(25=フリー)が池田勇太(32)に1アップで競り勝ち、タンヤゴーン・クロンパ(28=タイ)との決勝へ進出した。

「ここがヤマ場だと思っていました」という予感通り、勝負は最終18番までもつれた。4番から3連続で失って2ダウンまで追い込まれたが、6番アイアンで2メートルにつけた8番、続くパー5の9番も取ってオールスクエアで折り返した。「8、9番は自分なりに攻めていけた。あそこで戻せたのが、キーだったと思います」。2オンに成功した最終18番では先に下りのロングパットを1・5メートルまで寄せて重圧をかけ、池田がバーディーパットを外した後にきっちり沈めて強敵を退けた。

昨年ANAオープンでは池田にプレーオフで敗れていた。「何勝もしているスゴイ選手。僕はまだ1勝。格上なので、気持ちだけは負けないように」。今週、シャツやパンツなど毎日必ず赤いウエアを取り入れているのも、気持ちを高めるための験担ぎ。いつものポーカーフェースを貫きつつ、実は気合をみなぎらせていた。

改造中のスイングで飛距離が伸び、8月の全米プロの練習ラウンド時はかなり離されていたという池田を、最終18番では10ヤードほどオーバードライブ。8月のRIZAP・KBCオーガスタからはセッティングにも変化を加えた。3番ウッドを抜いたバッグには、同じ60度のウエッジが2本入っている。一方は使い込まれ、溝がすり減っているもの。「溝があると、スピンがかかりすぎてしまう。止めたい時のショット用と転がし用とで使い分けています」と意図を説明する。

地元埼玉での開催。プロになる前から家族で回っていた、なじみの深いコースでもある。今季トップ5に入ること6度。何度も迫りながら目前で逃してきた2勝目へ「地元で勝てたらうれしい。勝つことだけを意識して頑張ります」と決意をにじませた。