男子ゴルフの石川遼(27=CASIO)が10日、日本オープン(11日開幕、横浜CC)の会場で練習ラウンドを行った。

フェアウエーの幅は広く、ラフは短い。ティーショットには寛容な一方で「グリーンに面がいっぱいある」。米国で名門コースの監修を手がけるベン・クレンショーとビル・クーアによる改修が施された舞台は、これまでの日本オープンとは異なる趣がある。「これがベン・クレンショーさんの意図をくみ取ったセッティングなんだと思います。フェアウエーからグリーンを狙うショットの精度が求められる。狭くても(ピンと)同じ面につけられるかという“挑戦状”というか…」と思いを巡らせた。

自らのスイングの悪癖と根本的に向き合い始めたのが、1年前のこの大会だった。「ここがスタート地点だった。1年たって、良くなっている部分も多い。特にアイアンは、自分が今までやってきている中でも一番いい状態といってもいいと思う。距離感と精度の部分で、アイアンには自信を持っている」と現状を語る。

グリーン上の感覚を研ぎ澄ませる試みにもトライ。この日使ったのは長年のエース、L字マレットではなく、ピン型のセンターシャフトだった。かなり前に渡されていたものを引っ張り出してきたという。「L字よりも捕まりにくい。ストロークの矯正ですね」。さらにそのピン型と長さや重さをそろえてもらったウエッジを用意し、パターと同じグリップをさして練習グリーンなどでボールを転がす。「ウエッジの“刃”で打つイメージでパッティングしたい」と、パットも順手に戻している。

夏場に体調を崩し、低下していた体力面は戻ってきた。「ここからは通常のルーティンでやっていけるかな」。9ホールのラウンド後はドライビングレンジで打ち込み、日が沈んでラインが読めなくなるまで、パッティンググリーンに居残った。「練習の成果が試合で出てくれば、自信が復活したり、芽生えてくる感じだと思う」とうなずいた。