単独首位から出た稲森佑貴(24=フリー)が5バーディー、2ボギーの68で回り、通算14アンダーの270でツアー初優勝を飾った。

後続に3打差をつけてのスタート。守るつもりはなかった。「逆に燃えたような感じで。プロである以上、バーディーの奪い合いになる」。5番でフェアウエーからの第2打、しかもピッチングでグリーンを外してしまう「らしくないミス」でボギーをたたいた。前を回るショーン・ノリス(南アフリカ)らの追い上げは確認していたが、焦らない。9番で10メートル超のスネークラインを沈める初バーディーで勢いを得た。10番も取ると、前日まで2日連続で第2打を池に入れていた13番からは3連続バーディーで抜け出した。

過去3年連続フェアウエーキープ率1位。この日は1度もフェアウエーを外さず、4日間トータル86・67%は今季最高の数字だった。正確無比のショットで早々にレギュラーツアー定着を果たしたが、今季は重永亜斗夢、秋吉翔太、出水田大二郎といった九州出身プロに初優勝で先を越されていた。「特に大二郎くんとは小学校からの付き合い。うれしい半面、悔しいのも正直ありました。刺激を与えてもらって、今は感謝しています」と言った。

日本オープンでの初Vはツアー史上8人目だった。「初優勝がメジャー大会で最大の自信になりました」。この優勝で来年の全英オープン出場権を獲得し、賞金ランク2位浮上で25日開幕の世界選手権シリーズ(WGC)HSBCチャンピオンズ(中国)の切符も勝ち取った。「HSBC-」については国内ツアーと日程は重なるが「賞金王ももちろん狙っていきたいですけど、せっかくのチャンスなので、挑戦するのは当たり前。松山(英樹)さんや小平(智)さんのように、海外で活躍できる選手になりたい。僕は海外での経験が浅いですし、新たな自分の課題を発見できるはず」と出場を明言した。