岩田寛(37=フリー)が5バーディー、2ボギーの68で回り、3アンダーで首位と3打差の8位につけた。直近3試合で3位が2度、上々のスタートを切っても自己評価は辛口。15年以来となる通算3勝目への色気は出さず、ストイックな姿勢で自分のゴルフと向き合っていく。石川遼(27)も3アンダーの8位。李尚熹(26=韓国)が6アンダーで単独首位発進した。

「見てくださいよ、これ」。張り出されている第1日のドライビングディスタンスを指さしながら岩田がぼやいた。254・5ヤードで102人中99位。シーズンでは292・12ヤードで19位につけている部門だ。左に出る“チーピン”に悩まされ「右を向いてたんで真っすぐ向くようにしたら、気持ち悪くてしょうがない。今週は全然(チャンスとか)思えない」と首をひねる。

らしさの詰まった18ホールだった。「お先」しようとした12番のパーパットでボールが動き、競技委員を呼んだ。「動いた原因が選手にない」と判定は無罰。13番でティーショットを大きく左に曲げると、ボールを探そうとせず、続けて打った暫定球の地点へ一直線に歩いた。そのまま“第3打”に入る勢いだったが、木に当たって崖下に落ちていたボールをキャディーが発見すると小走りで向かい、あっさり花道まで運んだ。アプローチを寄せ、パターに持ち替えることなくタップイン。前ホールのグリーンで肝を冷やしたとは思えないほど、迷わずウエッジで打つのが岩田らしい。

「ゴルフが良くならないと、何をやっても楽しくない。気晴らしもできない」。癒やしを求めて、練習場へ向かった。【亀山泰宏】