石川遼(27)が5バーディー、1ボギーの67で回り、通算7アンダーの135で首位と2打差の5位に浮上した。過去トップ10入りが1度もなく「苦手」と表現してきたコースで16年RIZAP・KBCオーガスタ以来となるツアー通算15勝目を狙える位置で大会を折り返した。

ホールアウト後、練習グリーンでボールを転がす石川に、予選落ちが決まった谷口徹が近づいた。「(パットの)ラインが光らんくなってきたわ」「谷口さんの魂を吸い取っちゃったかもしれないですね」。前週は予選同組で、第2日のラウンド後に名手から熱心に指導を受けていた。ジョークを交わした後はガッチリ握手。「良くなりました。ありがとうございます」とあらためて感謝を伝えた。

12メートルから3パットパーとした最終18番など上がり3ホールを悔やみ「いい時に比べるとまだ不安定」。貪欲な姿勢は変わらないが、前週のように違うパターを試す必要はない。「自分に合った、いいパターなのは分かっている」。ショットの内容も充実。最初のパー5となる9番は3番ウッドで「今までなかった」2オンに成功した。1週間前には宋永漢(韓国)にフェアウエーウッドの打ち方をレクチャー。プロが教えを請うのも納得というドローボールでグリーンを捉えてみせた。16、18番と残る2つのパー5も「自分の中で一番難しいクラブ。これでいい球が出る時は、何を打ってもいい」と位置付ける2番アイアンで2オンした。

この大会はアマチュア時代を含めた6度の出場で08年の12位が最高だった。「過去の優勝者を見ても片山(晋呉)さんだったり谷口さんだったり、ショットの正確性が大事。僕は全部のタイプのコースで勝てるようなゴルフがしたい。今までことごとくはね返されてきたこのコースが、一番勝ちたい」。新境地を切り開く。【亀山泰宏】