ツアー初優勝を目指す新人の原英莉花(19=フリー)が、首位と1打差2位に急浮上した。首位と5打差24位から出て7バーディー、ボギーなしの65で回り、通算9アンダーとした。最終18番パー4では「これが入ったら優勝だぞ」と自己暗示をかけ、7メートルのバーディーパットを沈めた。

まるで優勝したかのようだ。最終18番パー4。原英は胸の奥でつぶやいた。「これが入ったら優勝だぞ」-。自己暗示をかけ、観衆までも味方に付ける。重圧をものともせずに、7メートルの長いバーディーパットを沈めると、何度もガッツポーズを繰り返した。この時点で24位から出て首位浮上。最終的には1打差2位で予選を通過し、初のツアー優勝が狙える位置につけた。

「これが入ったらいいな~。気持ち良く明日につながるな~と思っていました。自分に重圧をかけた。深層心理にあるんです。今週は頑張りたい試合だから」

緊張感と平常心を、うまく使い分けている。17日のプロアマ戦で、プロ野球巨人から来季監督就任の要請を受けている原辰徳氏(60)から助言をもらった。「本を読みなさい。リラックス法になるから」。さらに前週、予選落ちすると、師と仰ぐ尾崎将司を訪ね「振り切りが悪い。思い切り振れ」と言われた。

賞金ランク53位。来季シード権(50位以内)を確保するためにも「優勝を狙いたい。今週はゴルフが楽しい」。伸び盛りの19歳は重圧をも楽しみ、優勝へと突っ走る。【益子浩一】