石川遼(27=CASIO)が4バーディー、2ボギーの69で回り、通算9アンダーの204で首位と3打差5位と2シーズンぶりの優勝を狙える位置につけた。

前半は2度のバウンスバックでパープレーと粘ると、後半は16、18番と2つのパー5でしっかり伸ばした。18番はグリーン左サイドに切られたピンまで残り244ヤードの第2打、1度は手に取った3番アイアンを4番に持ち替えた。「3番で右手前の池を消して、奥に乗ってもしょうがないと思って打つか、でも、ピンポジション的にドローで攻めたかった。4番で100%の力というか、一番飛ばせるような球で右から回していきました」。2オンに成功し、イーグルパットこそ惜しくも外れたが、難なくバーディーで締めた。

「ドローボール」を操れるようになってきた手応えがある。クローズにしたスタンスから左に出て左に曲がる、ミスは右へ大きくプッシュアウトというのが以前の石川。アイアンショットでフェースに乗せて球を運ぶイメージを刷り込み、つかんだ感覚をドライバーに生かすことで、右に出したボールが左に曲がって戻ってくるようになった。

「前半戦は去年から引き続き、ドライバーとか、平らなところから真っすぐな球を打つことに必死だった時期が長かった」と振り返った上で「それがベースになっているし、自分に必要なことだった。本当に1歩ずつ、という感じです」。27歳1カ月でのツアー通算15勝なら中嶋常幸の28歳11カ月を上回る最年少記録となる。「ここまで望んできたようなシーズンの進み方ではなかったけど、いい方向にいっていると自分で思ってきたところに、少しずつ数字がついてきてくれている。自分はできると信じてやっていくだけかなと思います」と力を込めた。