男子ゴルフの三井住友VISA太平洋マスターズ(8日開幕、静岡・太平洋C御殿場C)のプロアマ戦が7日に同コースで行われた。

ドライビングコンテストが行われる18番パー5に集まったギャラリーからひときわ大きな歓声を浴びたのが、レスリング女子で五輪3連覇の吉田沙保里(36)。216ヤードでアマチュア女子の部ドラコン賞に輝き「いつもはフェアウエーに残らずスライスしたりするんですけど、あの時は真っすぐいってくれた。私はギャラリーがいた方が強いんだと分かりました。1、2ホール、ギャラリーが入れないところではたたいてしまったりしたので」と、自らの“勝負強さ”に声を弾ませた。

高校時代に授業で初めてクラブを握り、大学卒業後の06年ごろから自らの競技に影響が出ない範囲でコースに出てリフレッシュした。「練習は嫌いで行かないんですけど(笑い)、コースを回るのは楽しいなって」。当時ドライバーは230ヤードは飛んでおり、ベストスコア「87」をマーク。銀メダルを獲得した16年リオデジャネイロ五輪後はプレーする機会も増えたという。

同組の石川遼も「体幹と強靱(きょうじん)な背筋が備わっていないと、あそこまで飛ばせない。正直すごいな、と」。1番ではバーディーを奪取。バンカーの打ち方などをアドバイスした石川にとっては「トータルしてドンドンうまくなるような、そういう感じがあった。驚きでした」と吸収力の高さも目を見張る部分だった。

随所にトップアスリートの片りんをのぞかせ「80点くらいですかね」と笑顔で振り返った吉田。本戦に臨む石川へ「今日久しぶりにお会いして、以前もすごく優しい方でしたけど、さらにいい大人になられていた(笑い)。優勝に向けて頑張ってほしい」とエールを送った。