来季の賞金シード権を巡る戦いが開幕し、渡辺彩香(25=大東建託)が32位で発進した。5バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの71で回り1アンダー。現在賞金ランク55位で、今大会終了時点で同50位以内に与えられる賞金シード権確保には、単独17位以上に入ることが最低条件。6年連続のシード死守へ、残り3日で上位へ滑り込む。

インスタートの渡辺は、最終9番パー5で2オンに成功した。手前からの15メートルを2パットでバーディー。パーなら予選通過ラインの50位だったが、ひとまずは安全圏の1アンダー、32位で第1日を終えた。14年から手にする賞金シード権(賞金ランク50位以内)を死守するには、今大会で単独17位以上が最低条件。同55位以内でも来季前半戦の出場権は確保できるが、あくまでもこだわりがある。

「シード選手でいることが大事。50位に入りたい思いはあります。犬のためにも賞金を稼がないとね」

静岡の自宅でポメラニアン8匹を飼う愛犬家だ。賞金ランクは55位で、現時点でシード権には届かず、前半戦出場ラインの55位もぎりぎりだが、緊張感はない。「私は(順位を)落とせないから稼ぐだけ。ピリピリしてもねぇ…。(緊張で)上がっちゃうだけだから」。泣いても笑っても残り3日。ツアー屈指の飛ばし屋が、意地を見せる。