畑岡奈紗(19=森ビル)が今季3勝目、年間女王へ好スタートを切った。8バーディー、ノーボギーの64で回り、8アンダーで首位エイミー・オルソン(26=米国)と1打差の2位につけた。14年シーズンから米女子ツアーが導入したポイントレースで現在4位。この今季最終戦でVなら日本勢初戴冠が決まる。

強風の中、畑岡は序盤4ホールを1パットパーでしのいだ。ピンチを乗り切り、残る14ホールは武器のショットで全てグリーンを捉えた。6番で6メートルを沈めると、一気にバーディーラッシュ。8番で7メートル、11番から3ホールは4、5メートルを決め、上がり2ホールも取った。「グリップの結構いい力感で、風が強いので迷わず、構えたらすぐ打つようにした。パットが一番良かった」と満足げだった。

賞金女王、最優秀選手賞は既にアリヤ・ジュタヌガーン(タイ)に決まっているが、ボーナス100万ドル(約1億1000万円)を争うポイントレースはチャンスが残っている。勝てば自力で決められる4位で最終戦を迎えたこと自体、躍進の証明でもある。「このコースの中も、お城みたいな家がたくさんある。そういう家が欲しい」と初々しく笑うが、試合が終わった後もフロリダに残って米転戦の拠点を探す予定。足場固めを着々と進めている。

前日はフロリダの名物ストーンクラブを堪能し「カニ好きなんです」とニッコリ。第1日終了後には今季の表彰式が行われ、ツアー初優勝を飾った選手としてドレスアップして壇上に上がった。「うれしかった」と喜ぶ一方で、大きなタイトルを手にしたアリヤをまぶしそうに見つめ「来年は最優秀選手を目指したい」と大きな目標を掲げた。