東海大大阪仰星高3年の上野菜々子(18)が、日本人では史上5人目となるアマチュアのツアー優勝へ王手をかけた。1打差2位から出て3バーディー、1ボギーの70で回り通算13アンダーで首位浮上。今日18日の最終日は、14年4月に史上最年少となる15歳でアマ優勝を達成した勝みなみ(20)と最終組で回る。首位には勝ら4人が並び、優勝争いは1打差に上位8人がひしめく大混戦になった。

大観衆が待つ最終18番パー4で、最終組の上野はリーダーボードを見た。通算13アンダーに4人が並んでいるのを確認。バーディーパットは3メートル半。沈めれば単独首位に浮上する。ラインは「ストレートと読んでいました」。真っすぐ打った球は、わずか左にそれた。16番パー3ではピンへと飛んだティーショットが、惜しくも15センチ横をすり抜けた。優勝争いに割り込んだのは、強気の18歳だった。

「同点(首位タイ)よりは、1打でも抜けていた方が気分が良かった。(順位を)しっかり目に焼き付けてから打ちました。でも自分では100点満点です」

学業と両立させるため、一般入試で東海大大阪仰星高に進学。この日は同校サッカー部が、全国大会をかけた決勝戦でPK負け。前夜には同級生の藤川主将から「頑張って!」とメッセージが届いた。今日18日に大阪予選決勝を控えるラグビー部の湯浅監督からも電話で激励され「みんなも頑張っている。私も期待に応えたい」と気合を入れた。

大混戦の優勝争いを制すれば、日本人では史上5人目の快挙になる。最終日は偶然にも、15歳でアマ優勝を果たした勝との最終組。「テレビで見ていた。尊敬する人です」。憧れ人との戦いを制した時、歴史的瞬間が訪れる。【益子浩一】

◆最年少最終日最終組 今日18日の最終組は18歳上野、20歳勝、20歳松田で3人平均19・3歳。3人で回る最終組では03年8月31日のヨネックスレディース最終日で、当時アマチュアの18歳宮里藍、20歳竹末裕美、21歳古閑美保の19・6歳を抜いて史上最年少。ヨネックスは古閑が優勝、宮里2位、竹末9位。

◆上野菜々子(うえの・ななこ)2000年(平12)7月20日、大阪・枚方市生まれ。7歳の時にテレビで石川遼を見て競技を始める。枚方・津田中時代はゴルフと陸上部との掛け持ちで短距離が専門。昨年のこの大会でローアマ(33位)、今年の日本女子アマ2位。ドライバー平均飛距離は235ヤード。163センチ。