堀川未来夢(みくむ、25=Wave Energy)が7バーディー、1ボギーでこの日ベストタイとなる65をマークし、通算12アンダーの201でツアー初優勝に王手をかけた。同じ65で回って2打差2位の今平周吾(26)とは同学年。ジュニア時代から圧倒的な力を見せ、現在賞金ランクトップにつける「天敵」と最終日最終組対決に臨む。世界ランク1位ブルックス・ケプカ(28=米国)は7アンダーの8位、松山英樹(26)は3アンダーの30位だった。

堀川はリーダーボードを眺めて2打差2位に今平の名前を見つけ「スタート前から恐らく来るんだろうという予想だったんですけど、案の定だなという感じです」と笑うしかなかった。

「今平は別格でした」とジュニア時代の衝撃は鮮明に覚えている。技術の高さに加え「もの静かに見えて、とにかくハートが強い。ツアー一じゃないですか」とメンタル面を挙げる。

15年にツアー外競技のマッチプレーで対戦した時のこと。序盤のロングホールで2オンした今平は、第3打を1・5メートルに寄せた堀川にあっさり“OK”を出したという。そして、7メートルを沈めてイーグル。自身も1回戦で石川遼を破るなど勢いに乗っていたが「あの時点で『負けた』と思わされました」。今平が勝った10月のブリヂストン・オープンで3日間同組を回り、さらに隙がなくなった現在の強さを目の当たりにしている。

そんな相手との優勝争いだからこそ貪欲に攻めた。最終18番パー5で第2打がダフって右の林へ。「キャディーさんは『(パーを取りやすいように)下をいってほしい』という言い回しだったけど、上からの方がバーディーチャンスにつけられる。自分は上をいく自信があった」。ウエッジで浮かせて木の上を通し、ピンそばにつけてバーディー締めでリードを広げた。

世界NO・1のケプカや日本のエース松山らが米ツアーから参戦する舞台。「周りを意識しすぎない」と言いつつ、今平への対抗心は隠せない。「今、一番倒したい相手。“天敵”です。克服するためにも、今平周吾に勝って、優勝目指して頑張りたい」と自らを奮い立たせた。【亀山泰宏】