市原弘大(36=フリー)が1イーグル、7バーディー、1ボギーでツアー自己ベストに並ぶ63をマークし、通算15アンダーの269でツアー通算2勝目を挙げた。

初優勝した6月のツアー選手権森ビル杯と同じ5打差からの逆転劇。

クラブハウスリーダーとして後続を待ち、パッティンググリーンで歓喜のウオーターシャワーを浴びる瞬間までダブった。「ベストのプレーができた。結果はどうあれ、それができたことだけでもうれしかったけど、やっぱり優勝はうれしい」と感慨に浸った。

9番で残り151ヤードから8番アイアンで放った第2打がカップインしてイーグル。続く10番も5番アイアンの第2打が50センチについて難なくバーディーを奪い「一気に優勝を意識した」。グリーンを外した17番で唯一のボギーをたたいても、勢いは止まらない。最終18番、残り105ヤードから52度のウエッジで放った第3打はピン奥からの傾斜も使ってカップをかすめ、1メートルについてバーディー。「1日に2回も入ったら怖いですよ、今後が」と笑った。

昨季シード落ちを経験。初Vをつかんだ今季は全英オープンや世界選手権シリーズといった大舞台にも参戦したが「帰ってきてから空回りしているところもあった」。前週第1ラウンド終了時は最下位の84位に沈み「リセットして、もう1回、基本的なこと、目の前のことをしっかりやっていこう」と自らを見つめ直した。第2ラウンドは前日より11打縮めて「68」。予選落ちの裏でひそかに手応えをつかんでいた。

このコースで行われている谷口徹の合宿には毎年参加。今季からウエア契約を結ぶ「P’MAS」は宮崎で“ご当地Tシャツ”を制作、販売しているブランドでもある。さらに、スポットで起用したジョシュア・マイケル・キャディーは3月のアクサ・レディース(宮崎)でもフェービー・ヤオ(台湾)のバッグを担いで優勝していた。「いろんな縁が重なって、こういう結果につながったのかな。少しでも恩返しできたと思う」と喜んだ。

今季ツアー2人目の複数回優勝を飾り、世界ランク1位ブルックス・ケプカ(米国)に優勝ジャケットを着せてもらった36歳は「気持ちは若く、これからもメジャーを目指して、そういうところで結果を出せるようなスタートにしたい」。トレードマークの笑顔を輝かせた。