プロ転向後初のツアー優勝を飾った勝みなみ(20=明治安田生命)が、優勝会見で幽体離脱論を明かした。前日の第3ラウンドまで首位4人が並ぶ大混戦だったが7バーディー、ボギーなしの65で回り、終わってみれば2位に4打差をつける完勝だった。涙はなし。笑顔で臨んだ会見で、こんなエピソードを開かした。

「アマチュアで優勝した時以来、ゾーンに入ることがなかったんです。私、ゾーンに入ると、左上から自分が見えるんです。見えているように、感じるというか…。熊本の時(15歳で達成したツアー優勝)がそうでした。時にショットを打つ時にそうなる。パターの時はラインが見えるんです」

鹿児島高1年の14年4月、KKT杯バンテリンレディースで史上最年少となるアマチュアでのツアー優勝を達成。その4年前に、まるで幽体離脱したかのように、左上から自分を見ている、もう1人の自分がいたのだという。

この日もそんな感覚に陥ったのかを問われると、首をかしげながら答えた。

「ないです。今日は訪れなかったですね。(最近は)ずっと、いないんです」

自分が見える時には、とてつもない力が宿るという。その不思議なパワーが訪れた時には、今までにないほど強くなるのだろうか。

勝は「行く…と思います」と笑顔でキッパリ。賞金女王か、米ツアーでのメジャー優勝か。それとも世界ランク1位か。不思議な力を持つ20歳には、どんな未来が待ち受けているのだろう。