今平周吾(26=フリー)が6バーディー、ノーボギーの66で回り、6アンダーで嘉数光倫(28)浅地洋佑(25)と並んで暫定首位に立った。賞金ランクトップを快走し、今大会を勝てば初の賞金王戴冠が決まる。ラウンド中に練習器具を使用して2罰打を科され、5オーバーと出遅れたランク2位ショーン・ノリス(36=南アフリカ)を尻目に歩みを進める。悪天候によるコースコンディション不良でスタートが遅れ、12人がホールアウトできず日没サスペンデッドとなった。

今平が出だしから7ホールで5バーディーを奪うと、柏木一了キャディーが思わずつぶやいた。「“みんゴル(みんなのゴルフ)”状態やな。打てば入るわ」。ベテランキャディーがテレビゲームに例えるほど、面白いようにパットが決まった。風が強くなった後半は1バーディーの上積みにとどまるも、合計25パット。「結構、いい距離のパットが入ってくれた」と笑顔でうなずいた。

10番で2メートルを入れてバーディー発進。12、13番は2~3メートル、15、16番は4~5メートルを沈めて連続バーディーとした。昨年まではやっていなかった準備がスタートダッシュにつながった。ティーオフが1時間半遅れる中、今季から年間契約を結んでいる渡辺研太トレーナーに「軽く可動域を出すためのマッサージ」をお願いした。少し緩めた後は軽いトレーニングで刺激を与え、筋肉を引き締める。「肩が入っていくような感じ。すごく動く」と導入したルーティンの効果を語る。

「順調かなと思う。4日間、60台をそろえたい」と納得の好発進。賞金王争いで最大のライバルとなるノリスも前半は3アンダーと好調だったが、ハーフターン時にパッティンググリーンでアライメント(アドレス時の体の向き)を整えるため、スティックを置いて練習したことで2罰打を科された。帰り際に「ノリス、何したんですか?」とちょっとだけ気にした今平だが、自分のプレーに集中するスタンスを貫くつもりだ。【亀山泰宏】

◆賞金王の行方 優勝賞金4000万円の2試合を残すため、数字上はランク8位クロンパ(タイ)まで可能性を残す。今平が今大会に勝てば無条件で賞金王が確定。単独2位(2000万円)から3人までの3位タイ(1040万円)に入っても、他選手の結果次第で初戴冠が決まる。今平が4人並んだ3位タイ(960万円)以下だった場合、ノリスは予選落ちでも最終戦に逆転の可能性は残る。