“ツアー史上最小兵”の賞金王が誕生した。今平周吾(26=フリー)が4バーディー、2ボギーの68で回り、通算5アンダーの275で8位となって初戴冠。

今平のことを、エースキャディーの柏木一了氏は「究極の負けず嫌い」と表現する。賞金王を決めた後も、まさにそうだった。2度の連続バーディーはあったが同組小平の爆発力に置いていかれた。来年4月のマスターズ切符につながる世界ランク50位入りへ今季2勝目を課して臨んだ最終戦でもあった。「賞金王はすごくうれしい。でも、勝ちきれないのは少し悔しい」と正直に言った。

「ゴルフで挫折したことは、あまりない」という天才肌。ジュニア時代から知る同学年の堀川が「今平は別格。ハートもツアー一強い」と証言するように、技術もメンタルも隙がない。唯一といっていい“コンプレックス”が身長で「ゴルフを始めた頃から小さくて、飛距離もハンディだと思ってやってきた。体格はゴルフに関係ないというのは、少し感じられたのかな」。持ち前のショット力に加え、1位に輝いた平均パットなど小技もレベルアップ。12年の藤田寛之(168センチ)より小さい165センチの新王者の意地を示した。

26歳61日での戴冠は、日本人では09年の石川遼(18歳80日)、13年の松山英樹(21歳286日)に次ぐ年少記録となる。「海外に行きたい。まずは、ギリギリまで50位以内を狙う」。2人のように、タイトルをステップに世界を目指す。【亀山泰宏】

◆今平周吾(いまひら・しゅうご)1992年(平4)10月2日、埼玉県生まれ。埼玉栄高1年の08年に松山英樹を破って日本ジュニア優勝。翌年高校中退し、米フロリダ州に2年留学し全米ジュニア8強。帰国後の11年末にプロ転向。165センチ、63キロ。