“ツアー史上最小兵”の賞金王が誕生した。今平周吾(26=フリー)が4バーディー、2ボギーの68で回り、通算5アンダーの275で8位となって初戴冠。ツアーでも寡黙でクールなイメージが定着している新王者の素顔を、婚約者の若松菜々恵さん(22)が思い出を交えて語ってくれた。

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今平さんと初めて会ったのは、15年の岐阜オープンでキャディーのアルバイトをした時でした。実は、最初の頃は印象があまりないんです。2日間競技で予選落ちだったので、バッグを担いだのは1日だけ。18ホールで、会話はほとんどなかったと記憶しています。今振り返っても、本当にシャイな人だと思いますし、後に結婚することになるとは思わないですよね。

交際を始めたのは16年の秋。最初はあまり話さない人ですし、何を考えているか分かりませんでした。ナゾめいたところにひかれる部分もあったんだと思います。こまめに連絡をいただいたり、いつの間にか好きになっていました。

昨年初優勝した関西オープンでキャディーをしたのが一番の思い出です。それまでも試合を見る機会はあったので、エースキャディーの柏木さんが飲み物を渡すタイミングを参考にしたり、とにかく必死でした。貴重な経験をさせていただきましたし、初優勝にキャディーとして立ち会えるなんて運命なのかなって思いましたね(笑い)。

ギャップを見つけて、うれしくなることが多いです。私がカラオケが好きで、一緒に行くと歌ってくれる。レパートリーは少ないけど、上手です。男らしいところもあって、プロポーズはシンプルだけど「僕についてきなよ」という感じで。当時大学生だった私に「就職活動もしなくていい」と言ってくれて、彼についていこうと思いました。2人きりの時、海外選手のスイング動画を見比べていて「(自分の)ここがダメだな」とかつぶやいている姿を見ると、プロゴルファーなんだと実感します。

今、2人で家を探していますが「再来年は米国に家を買うんだ」って冗談を言ったりするんです。将来的に海外で、という思いはそばにいて伝わります。食事面だったり、私もできる限りサポートをしていきたいです。あらためて、賞金王、おめでとうございます。