ゴルフはスピーディー&簡単に! 来年1月1日から新ゴルフ規則が全世界で施行される。世界のルールを統括するロイヤル・アンド・エンシェント・ゴルフクラブ・オブ・セントアンドルーズ(R&A)が14日、都内で日本向け説明会を開催した。米国ゴルフ協会(USGA)と一緒にまとめた新ルールは、競技人口の拡大を狙って簡素化された。主な改正点を紹介する。

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プロだけでなく、アマチュアにも大きな影響を及ぼす新ルール。会場には300人近いゴルフ関係者が出席した。規則委員会のデビッド・ボンソール、デビッド・リックマン両氏は、約6年半かけてまとめたという新規則を解説した。ボンソール氏は「一貫性がありフェア。シンプルですが包括的。原則は速やかなプレーのペースを支援することです」と力説した。

変更点はプレーのスピードアップに関する項目が多い。見失ったボールの捜索時間は5分から3分に短縮され、捜索時に誤って球を動かしても罰はない。バンカー内の救済では1罰打のバンカー内に加え、2罰打でバンカーの外側(いずれも後方線上)からのプレーが可能だ。2打目以降の打順も、もっとも遠い球から先にプレーする方式から準備ができた選手から打つ「レディーゴルフ」が推奨されている。

パッティングも規制が緩和される。グリーン上で球を誤って動かしても無罰となる。またスパイクマークの損傷、動物の足跡なども無罰で修理可能。パット時には旗竿(フラッグ)をホールに立てたまま打てる規則に変更された。世界的に進む「ゴルフ離れ」に歯止めをかける施策が盛り込まれたと言っていい。

しかし現規則が体に染みついているゴルファーにとっては戸惑いの多い大幅な改正だ。質疑応答でも細部にわたる質問が多く出た。ボンソール氏は「分かりやすく、すべてのゴルファーに適用できる」と強調したが、現規則が来年から違反になるケースも少なくない。競技者が慣れるまでには、しばらく時間がかかりそうだ。【藤中栄二】