女子ゴルフで、放映権の問題で来年のツアー2試合が減ることになったことについて、比嘉真美子(25)、有村智恵(31)が19日、都内で取材に応じ、選手側の思いを吐露した。プレーヤーズ委員会の委員長も務める比嘉は「残念でしょうがない」と話した。

選手には、女子プロゴルフ協会(LPGA)が18日に行った会見と同じ内容のメールの送信が協会からあり、19日の午後に行われたLPGAアワードの前にも質疑応答の時間が設けられた。有村は「協会が私たちのために動いてくれているのも理解しているが、コミュニケーション不足。もっと答えてほしかった」と話した。

プレーヤーズ委員会は、放映権問題が発覚後、危機感を募らせ10、11月に意見書を作成し、LPGAに提出し、選手側は協会と話し合いの場を設け、より良い方向性を模索することを考えてきた。が、協会は守秘義務を理由に明確な回答を示さなかった。「選手はいいプレーをして笑顔を届けること」と言われたと言う。

試合減は選手の収入にも響く上に、支援してくれるスポンサーの露出も減り、多大な影響を及ぼす。また、中止になったKKT杯バンテリン・レディース(熊本)、中京テレビ・ブリヂストンレディース(愛知)、ミヤギテレビ杯ダンロップ女子(宮城)は、震災や豪雨などで多大な被害を受けた地域で、比嘉は「中京は長い期間ずっと開催している大会。熊本、宮城は震災が起こったところ。ゴルフで被災地を勇気づけられるという意味では特別な試合だった」と悔しさをにじませた。

有村は「協会には引き続き継続できるように協議をする姿勢を見せてほしい」と訴えた。さらに、個人的にある理事と話し合いの場を持った際、「『放映権を取得するような動きはない。報道に出ているのは誤報』と言われた。それを受けて昨日の会見。裏切られた感じ。協会への不信感は強い」と嘆いた。選手側は今後も協会側に説明会などを求めていくという。

協会は、昨年8月から財務基盤の確立などを理由に、放送権の帰属を主張し、昨年から各大会主催者に通達していた。今月13日を期限に、1年以上かけて交渉してきたが、テレビ局主催の3試合が中止、ワールド・サロンパス・カップを共催する日本テレビとも合意できない事態となった。

協会は19年開幕に向け、インターネット配信会社と交渉し、契約を目指している。