国内女子ゴルフの今季注目選手14人を紹介する連載、最後のテーマは「賞金女王争い」です。

比嘉真美子(25=TOYO TIRES)は、昨季優勝こそ1回にとどまったものの、年間トップ10回数18回は1位で、賞金ランクも4位。かつて天才少女と呼ばれたその実力が、今季は開花しそうな勢いだ。

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比嘉は、プロ1年目の13年に19歳でツアー2勝を挙げ「天才少女」と注目された。しかし、その後は不振にあえぎ、シード権も喪失。賞金ランク95位に沈んだどん底の15年から、16年には34位、17年12位、そして昨年は初の1億円超えで、自己最高の賞金ランク4位と復活を印象づけた。

比嘉にとって大きかったのは、昨年8月の米女子メジャー大会、全英リコー女子オープンで4位に入ったことだった。4月のKKT杯バンテリン・レディースで優勝し、その後は優勝争いに多く絡んでいた。調子が上向いたまま臨んだ大会で、比嘉は自分のゴルフに手応えを感じた。

「メジャーで一番優勝に近づけたのは確か。日本にいるより、自分の良さやリズムとか、かなり勉強になった」。世界の舞台でも自分のアイアンは通用する-。大きな収穫を日本に持ち帰り、後半戦も安定した力を発揮した。

昨年6月に婚約を発表した大相撲の幕内・勢の存在も大きい。プロの厳しい世界に身を置き、励まし合いながら互いの力に変える。昨年はメジャーを含む3勝を目標にしたが、優勝は1回だけ。それでも、大きな手応えと自信を得た。今年は、13年以来の複数回優勝で賞金女王を取り、結婚に花を添える。【桝田朗】

◆比嘉真美子(ひが・まみこ)1993年(平5)10月11日生まれ、沖縄県出身。11歳でゴルフを始め、10、11年にナショナルチームのエースとして活躍。11、12年と日本女子アマ連覇。12年7月のプロテストに合格。プロ1年目の13年にいきなりツアー2勝を挙げ、通算4勝。得意はドライバー。161センチ、58キロ。