17年賞金女王の鈴木愛(24=セールスフォース)が、地元四国で節目のツアー通算10勝目を挙げた。

首位と2打差3位から出て5バーディー、1ボギーの68で回り、通算9アンダーの207で逆転優勝。得意のパターで後続を突き放し、2位に4打差をつける圧勝だった。15、18年にプレーオフ(PO)で敗れた大会で雪辱。2年ぶりの賞金女王へ、まずは今季初勝利を手にした。

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何度も悔し涙を流してきた高知で、ついに鈴木が歓喜の瞬間を迎えた。11番パー4で、5メートルのフックラインを沈めて首位を捉える。強い突風で、次々と優勝を争う選手が脱落していく中で、集中力は途切れなかった。15番パー5ではグリーンエッジから6メートル、最終18番パー4でも2メートルのバーディーパットを入れた。2位と4打差でホールアウトし、最終組を待たずともツアー10勝目を確信した。

「いつもここで泣いているイメージがある。節目の優勝が地元四国で良かった。駆け引きが下手なので、最後まで周りのスコアは見ていませんでした」

この大会は12年以降、7年連続でPO決着だった。鈴木も15年李知姫、18年アン・ソンジュと2度も韓国勢に敗れた。16年は優勝したイ・ボミに1打及ばず4位。隣の徳島で生まれ育ちながら、四国での優勝には縁がなかった。前週の開幕戦は予選落ち。「自分のやっていることが合っているのか分からなくて、トイレに駆け込んで泣いていました」と明かした。

昨年6月以来の勝利で、14年の初優勝から6年間で10勝を積み重ねた。母美江さんは「こんなに勝てるとは思ってもいなかった」。鈴木は「今年は5勝と賞金女王が目標。海外でも活躍したい」とキッパリ。2年ぶり女王へ。さらに強くなる。【益子浩一】