地元宮崎出身の脇元華(21=フリー)が、初の単独首位で発進した。

7バーディー、ボギーなしの65で回り7アンダー。小学生の頃から慣れ親しんだコースで、着実にスコアを伸ばし、最終18番パー5では10メートルのバーディーパットを沈めた。初のツアー優勝へ、最高のスタートを切った。1打差2位には、伸び盛りの河本結(20=エリエール)がつけた。

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宮崎の桜はまだ三分咲きか-。だが今週末には「華」が見ごろになりそうだ。7番で2メートル、9番で3メートル、10番では1メートル。脇元はしっかりとピン側に付け、着実にバーディーを積み重ねていく。見せ場は6アンダーで河本と並んで迎えた最終18番パー5。ティーショットが右のバンカーにつかまりながらも、10メートルのバーディーパットを沈め単独首位に浮上。地元の声援を浴び、プロ初の首位発進した。

「大体、ラインは覚えているので、こういう風に打てば入ると思って打ちました。プロになって初めての地元の試合で、すごく楽しみにしていた。(地の利が)武器になりましたね」

ゴルフの楽しさも、苦しみも、このコースで知った。初めて回ったのは小学生の頃。目と鼻の先にある宮崎日大高時代には、授業後に自転車で坂道を上がり、毎日9ホール回るのが日課だった。高校卒業後、3度目の挑戦で昨夏にプロテスト合格。2度の挫折を味わい、その間は出場資格がないため、ボランティアとして大会に携わった。試合に出たい-。心から思った。

「プロテスト1回目は食中毒で落ちて。QTのエントリーミスもあった。たくさん悔しい思いをしました。絶対にプロになって、この大会でいいスコアを出してやるという思いがあったので今日は良かったです」

オフに尾崎将司の自宅に招かれ、練習を見てもらった。「(体が)デカイんだからもっと振れ!」。その言葉が成長の糧になった。

「優勝したいです。でも、そう簡単ではないとも思っています。集中します」

宮崎の「華」は咲く時を待っている。【益子浩一】