【オーガスタ=松末守司】今季メジャー初戦のマスターズが開幕し、日本勢7年ぶりのアマチュア出場を果たした金谷拓実(20=東北福祉大3年)が上々の滑り出しをみせた。

出だしの1、2番で連続バーディーを奪って伸ばすと、4番でボギーをたたいた後、距離の伸びた5番もパーセーブ。夢舞台の難コースに食らいついた。また6年連続8度目出場の松山英樹(27=LEXUS)は連続ボギー発進となった。

堂々のスタートだった。黄色のポロシャツに白のパンツという東北福祉大のウエア姿の金谷は1番パー4で第1打を左に外した後、鮮やかなショットをみせた。第2打はグリーンを転がり、ピンまで約5メートルまで寄せ、バーディー発進。2番パー5では第3打を約3メートルまで寄せて連続バーディーを奪取。大勢のパトロンから起こった拍手にも頭を下げて応じた。4番のボギー後、40ヤード距離が伸びた5番もパーセーブに成功した。

18年10月のアジア太平洋アマで優勝し、大学の先輩で米ツアー5勝の松山英樹以来、日本勢7年ぶりのアマチュア出場を手にした。「勝った時は、まだ6カ月あると思っていたが、19年に入ってもう4カ月しかない。もうすぐなんだと思いました」。一定の緊張感を持続し「小さい頃からの夢」というマスターズに備えてきた。会場入り後、過去7回の大会出場を誇る松山と練習ラウンド。「ここに打った方がいいとか、ここに落とした場合はこう打った方がいいとか、アドバイスをもらいました」。先輩の助言を胸に落ち着いた表情でプレーに入った。

会場入り後、昨年の日本オープン出場時にも交流があった13年大会覇者アダム・スコット(オーストラリア)と記念撮影をお願いした。練習ラウンドでオーガスタ・ナショナルの雰囲気に圧倒された気持ちも落ち着いた。「今できる限りの準備はできたかな」。ほど良い緊張感と自信に身を包み、1番のティーグラウンドに立った。