タイガー・ウッズ(43=米国)が、11年ぶり15度目のメジャー制覇を成し遂げた。最終18番でウイニングパットを決め、大勢のパトロンの大拍手に包まれながらグリーンを離れるとウッズの家族たちがグリーンそばのテレビ塔奥で待ちかまえていた。パトロンたちによる「タイガー!!」コールを浴びながら、愛息チャーリー君を抱きあげた。次に母クルティーダさんと抱擁し、長女サムアレクシスさん、ガール・フレンドのエリカ・ヘイマンさんを抱きしめた。

サムアレクシスさんは08年全米オープンの1年前の07年生まれ、チャーリー君は09年生まれのため、ウッズが2人の子供の目前でメジャー制覇したのは初めてのことだった。18年全英オープンで優勝争いしながらV逸した際、会場に呼んでいた子どもたちに優勝をみせられず、自分自身に失望したという。最終日スタート前、ウッズは米メディアに「私の子供たちをそこ(メジャー制覇)に連れていくために残り1ラウンドに臨む」と話した上で「私の父(アール氏)は97年にここ(オーガスタ)にいました。そして今、私は2人の子供を持つ父としてここにいる」と気合を入れていた。

06年に死去した元軍人の父アール氏から手ほどきを受け、ゴルフを始めたウッズ。二人三脚でレベルアップし、97年に史上最年少となる21歳3カ月でマスターズを制覇した。同年はアール氏が心臓の合併症を抱えながら会場に駆けつけ、試合前日もパッティングの指導を受けていたウッズ。運動神経の良さ、柔軟性は父親譲りとされていた。

米国内では97年に父アール氏と抱擁するシーンと19年に長男チャーリー君を抱き上げる瞬間を並べる動画が話題になっている。最初の優勝から22年が経過。ウッズは「(97年は)父が優勝を喜んで出迎えてくれたけれど、今回は息子が祝福してくれた。父としての役割を果たせたと思う。息子にとって父親の存在は何より大きい」とした上で「父親が大きな優勝を勝ち取ることがどのようなものかをみせられた。子どもたちは決して忘れないだろう」と感慨深げに語っていた。