タイガー・ウッズ(43=米国)が完全復活した。2位から出て6バーディー、4ボギーの70で回り、通算13アンダー275。11年ぶりのメジャー制覇、05年以来5度目の大会Vを果たした。18勝のジャック・ニクラウスに次ぐメジャー優勝は15勝目。米ツアー優勝回数は、歴代最多のサム・スニードにあと1勝に迫る通算81勝とした。

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<田中秀道の目>

ウッズの優勝は感動して涙が止まらなかったです。ものすごく強かったウッズが、いろいろなトラブルやケガで復活というのが厳しいという中で昨年のツアーチャンピオンシップで優勝したことも奇跡な感じでしたが、こんなにも早くメジャー優勝をつかみ取るとは、やはりアニメのヒーローのようです。

このマスターズの勝ち方としては、過去の優勝とは違う体に負担をかけないようなコンパクトなスイングでしたし、そのフィーリングがだいぶ自分のものになってきたことでメンタル的にも落ち着いてプレーができていたように見えました。珍しくガムをかんでいたのも、より落ち着いてプレーするポイントになったのかなと思います。今回の勝ち方を見れば、次のメジャーも楽しみで仕方ありません。

松山選手は、なかなかパッティングが決まらなかったことで、リズムを整えるのが難しかったみたいです。パットがなかなか決まらないからだとは思いますが、アドレスの時に体の向きを気にしながら打っていたので、自信をもってしっかり打ち抜くことができなかったのかなと思います。かなり高いレベルで戦う松山選手だからこそのテーマだったと思いますが、形を整えるという状態からしっかり自信を持って打ち抜くことができれば、3日目のようなプレーができます。

あとはいつも思うことですが、少しのミスを許せるような気持ちでやってもらえれば、よりシンプルにコース攻略の方に集中できるような気がします。(プロゴルファー)