ベテランの小田孔明(40=プレナス)が3バーディー、3ボギーの71で回り、通算10アンダー、203で同じく首位発進のD・オー(米国)とともに首位を守った。

賞金王を取った14年以来、優勝から遠ざかるが、近年は「チーム孔明」で若手の育成にも尽力。1打差9アンダーに付ける愛弟子の出水田(いずみだ)大二郎と、最終日最終組で優勝を争う。

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単独首位で迎えた最終18番、小田はボギーをたたいた。パー4の第2打がグリーン手前のラフ。アプローチが寄らず、パーパットも外した。結局、オーと並んで10アンダーで終了。それでも「ちょっとがっつき過ぎた」と笑い飛ばした。

賞金王を取った14年以来のツアー通算9勝目へ、久々のビッグチャンスが巡ってきた。今回の東建は09年、10年と連覇したこともあるゲンのいい大会だ。「去年はいいところで回っていると変な緊張があったけど、今年は不思議とそれがない。今年は(オフに)ラウンドをいっぱい回っているので緊張しない」と小田は言った。

毎年オフには、宮崎で1カ月ほどの練習合宿を行う。10年ほど前から始めたが、小田を慕って若手が集まり、今年は15人。いつしか「チーム孔明」と呼ばれるようになった合同合宿で、40歳を迎えた小田は、50ラウンドの実戦練習をこなした。「今年41になるし、複数年シードも今年で最後。自分にプレッシャーをかけないと」という。

その合宿でともに練習したのが、3位につけた出水田だ。2年前に、同チームの秋吉翔太の紹介で加入。指導のかいあって、昨年は出水田が初勝利、秋吉も2勝を挙げた。「教えるというより、一緒に練習して刺激し合う感じ」というが、愛弟子の優勝に小田も刺激を受けないわけがない。

最終日は、最終組で師弟の直接対決が実現する。「大二郎もオーも1勝しかしていない。勝ち方ではボクの方が上。大二郎の邪魔をしますよ」と、小田は自信をのぞかせた。【桝田朗】