青木瀬令奈(26=三和シヤッター工業)が、ツアー通算2度目のホールインワンで今季最高12位に食い込んだ。13番パー3(163ヤード)で達成。22位から出て1イーグル、2バーディー、1ボギーの69で回り、通算3アンダーの213。日刊スポーツのゴルフレッスン「せれにゃん塾」で好評連載中の青木が、17年以来のツアー2勝目へ弾みをつけそうだ。同8アンダーの李知姫(40=韓国)が2年ぶりの通算23勝目を挙げた。

熊本の青空に、青木が美しい放物線を描いた。13番パー3。6番ユーティリティーで打ったボールは、風に乗った。コースのすぐ横を、爆音を響かせながら飛行機が離着陸する。10ヤードほど転がると、グリーン上で突然消えた。入る瞬間を見ることも、カップに沈む、乾いた音を聞くこともできなかった。大歓声が起きると、半信半疑のままグリーンへと歩いていった。

「結構、アップヒルになっているので、見えなかったですね。お客さんの『入った』という声が聞こえてきて、グリーンは硬いし、オーバーしやすいので『本当なのかな?』と思いました。(カップを)のぞくまでは信じられなかったです。ボールを拾ってから、やっと確信しました」

国内ツアーでは16年中京テレビ・ブリヂストン・レディース第1日(5月20日)に達成して以来、3年ぶり2度目。人生では6度目だという。直前の12番パー4で、50センチのパーパットを外してボギー。「取り返してやろう」。そう心に刻み、集中して放った一打が最高の結果を生んだ。

「前のホールのお釣りがきた感じですね。前回の中京の時は、ホールインワンをしたのに予選落ちしちゃったんです。今回はいい順位で終えることもできて、本当にうれしいです」

今季最高12位に滑り込んで賞金159万円を加算し、同ランク48位に浮上。エース賞として20万円も獲得した。17年6月のヨネックスレディース以来となるツアー通算2勝目へ、自信と勢いをつかむ結果となった。「もっと上に行けるように、また次からも頑張りたいと思います」。初夏のような熊本の日差しを浴びた青木は、美しく輝いていた。【益子浩一】

◆青木瀬令奈(あおき・せれな)1993年(平5)2月8日、群馬・前橋市生まれ。実家が音楽教室で「セレナーデ(小夜曲)」から命名された。7歳で競技を始め、06年日刊アマ全日本女子で史上最年少13歳で優勝。前橋商卒業後の11年にプロテスト合格。15年に初の賞金シード権を獲得し、昨年は同ランク31位。17年ヨネックスレディースで初優勝。153センチ、50キロ。