笠りつ子(31=京セラ)が1イーグル、3バーディー、1ボギーの67で周り、4アンダーで単独首位発進した。雨でスコアが伸びない中、9番パー3でのホールインワンで抜けだした。8年守り通したシード権を失い、復活へ弾みをつける3年ぶりの優勝を目指す。原江里菜と三ケ島かな、浅井咲希が3アンダーで2位につけている。

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ビッグプレーが笠を首位へ押し上げた。1バーディー、1ボギーのイーブンで迎えた9番パー3。155ヤードを8番アイアンで打ったボールはグリーンのピン手前に落ちて転がり、カップに吸い込まれた。その勢いで後半も2バーディー。この日ベストスコアの67で首位発進した。

「(好スコアの要因は)ホールインワンしかない。あと、長いパーパットも入ってくれた」と笑顔で振り返った。ホールインワンは、08年10月のマスターズGCレディース(57位)、18年のアクサ・レディース(51位)以来3度目。3度とも、第1日に記録している。

昨年は賞金ランキング52位に終わり、11年以来8年守ったシード権を失った。「どんどん年齢につれ、体が思うように動かなくなる。自分に足りないものをつけていかないと」。体重(58キロ)と同じ重さのものを持ち上げたり、スクワットに取り組んだ。「毎日やることがなかったウエートを毎日やったり、誰よりも練習してきた」という。

16年の熊本地震で被害を受けた熊本県菊池郡の出身。前週のKKT杯バンテリン・レディースでは「たくさんの応援を受けて、すごく励みになった。もっともっと優勝争いしたいなと思った」。16年のこの大会では、最終日に優勝した大山志保と激しく争い2位。悔しい思いをした。3年ぶりの優勝へ向け、残り2日。「常に勝ちたいという気持ちはある。でも今は、また明日からやろうという気持ちしかない」。闘志を内に秘め、笠は復活を目指す。【桝田朗】