元世界ランク1位の申ジエ(31=韓国)が記録ずくめのバースデー優勝を飾った。19位から出て9バーディー、1ボギーのコースレコード63で回り、通算8アンダー、205で7打差を逆転。史上3位の大逆転劇で今季2勝目、通算23勝目を挙げた。2打差の2位には首位スタートの吉本ひかると鈴木愛、渋野日向子が入った。

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ゾーンに入っていた。1つスコアを伸ばして迎えた10番から怒濤(どとう)のバーディーラッシュ。「スコアも、何個バーディー取ったかも知らなかった。アテストでスコアを見て、ちょっとビックリした」と言うほどの集中が、大逆転劇を生んだ。

スタート時点でイーブンの19位。首位の吉本とは7打差あった。この日たたき出した63はコースレコード。自身初の7打差からの優勝は、02年廣済堂レディースでの藤野オリエの11打差、98年東洋水産レディース北海道での大場美智恵の8打差に次ぐ、史上3位の大逆転劇だった。

「スタート前は6アンダーが目標だった。でも一緒に回った松田さんが前半いいプレーをしてて、私も頑張らないといけないと思った」。10年に世界ランク1位に輝き、10年以上戦う日本ツアーでは23勝。それでも「若い世代の壁になるという気持ちが強い」と、闘志は衰えない。オフもゴルフに集中するため韓国への帰国を控えた。

昨年惜しくも逃した賞金女王が最大の目標だ。「今日のゴルフでこれから残りの試合が楽しみになった」。若手の台頭が著しい国内女子ゴルフ界だが、31歳の誕生日に申は、まだまだ勝ち続けると宣言した。

【桝田朗】

<申ジエの使用クラブ>

▼1W=キャロウェイ エピック・フラッシュ・サブゼロ(シャフト=フジクラスピーダ569、8・5度、長さ44・75インチ)▼3W=テーラーメイド M2(15度)▼5W=ミズノ プロFW▼UT=キャロウェイ エピック(20、23度)▼アイアン=ミズノ プロ 518(6~PW)▼ウエッジ=キャロウェイ マックダディ4(50、54、60度)▼パター=オデッセイ ホワイト・ホット♯4▼ボール=タイトリスト プロV1