【ファミングデール(米ニューヨーク州)17日=松末守司】第2ラウンドを終え、松山英樹(27=LEXUS)は3バーディー、1ボギーの68で通算2アンダー、138で17位から10位に浮上した。首位ブルックス・ケプカ(米国)とは10打差。メジャー連勝を狙ったタイガー・ウッズ(米国)は通算5オーバーで予選落ち。今平周吾は7オーバー、小平智は9オーバーでそれぞれ予選落ち。

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松山がピンチを乗り越えじわりと浮上した。2つスコアを伸ばして迎えた後半11番パー4。ティーショットを目の前にコブのあるバンカーに入れた。「薄く当たった」と話す球は、コブを越えず土手の草むらに埋まった。同組のシャウフェレらと懸命に探し見つけ、第3打はフェアウエーに出すだけ。大たたきも予想されたものの、第4打を2・5メートルに寄せボギー。最大のピンチで傷口を最小限にとどめ、続く506ヤードパー4の難関12番のバーディーにつなげた。

険しい表情は崩さなかったとはいえ、「欲を言えばもう少し取れた感じはあるが悪くない2日間だった」と及第点。すぐ1つ後ろの組にはウッズがおり、数百人を超える大ギャラリーがコースにひしめき合い、会場は異様な雰囲気に包まれてはいるがまったく意に介さない。「気にしてもしょうがない」と自身に集中し、決勝ラウンドに進む。

ショットがさえた。パーオンキープ率は、前日の55・5%から85・7%と大きく数字を上げ、全体3位と世界一と言われるアイアンショットの精度の高さをあらためて世界に示した。さらに、自身は「ティーショットは昨日の方が良かった」と話すが、2日間のフェアウエーキープ率は78・57%と全体2位。今季、課題に挙げてきたティーショットも安定感が出て、反撃態勢は整っている。

12アンダーで、独走態勢を築きつつある昨年の覇者ケプカとの差は、10打まで開いた。過去、2日目終了時点での最大逆転差は9。未知の領域との戦いで置かれた状況は厳しいものの、「(ケプカに対し)良いプレーをすればあそこまでいくんだなという感じ。その差を縮められるように頑張りたい」。悲願のメジャー初制覇へ、歴史を変えてみせる。