ツアー初勝利を目指す金沢志奈(23=レイクウッドコーポレーション)が、V圏内で最終日を迎える。

首位から出て4バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの72で回り、通算6アンダーで首位と1打差3位。13番パー4でダブルボギーをたたいてV争いから一時後退するも、粘りのゴルフで食らいついた。ツアー未勝利の大城さつき(29)とイ・ミニョン(27=韓国)が、7アンダーで首位。

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首位を走っていた金沢が、急失速した。12番パー3でこの日2つ目のボギーをたたくと、続く13番パー4では痛恨4パットで、まさかのダブルボギー。2ホールで3つスコアを落とした。17年のテストに合格したプロ3年目。ツアー優勝経験のない23歳は、ここまでか-。誰もがそう思った。だが14、17番(いずれもパー4)で、1メートルに付けてバーディーを奪い、首位と1打差3位に食らいついた。

「毎回のように大事なQT(予選会)とかで4パットをしちゃう。またですね。14番はスコアを落とした直後だったので、強気で打ちました。絶対に入れたかった。(V争いは)本当に緊張しちゃう。でも、まだまだ(初Vを)狙える位置にいるので頑張ります」。

大会前に元世界ランク1位の申ジエ(韓国)から、パットの極意を教わった。スタンスを狭くし、バックスイングは小さくしたことでリズム感が出てきた。同じく3位につけたその申ジエらとのV争いになった。

「私だけが舞い上がっていますね。最後まで諦めないことが大事だと思う」

スラリとした体形の清楚(せいそ)系プロ。昨年は約1921万円を稼ぎながら、同ランク57位で賞金シード権を逃した。初のツアー優勝へ。粘りの姿勢でつかみ取る。【益子浩一】