黄金世代の渋野日向子(20=RSK山陽放送)が、悲願の「AIG全英女子オープン」出場切符を手にした。

6位から出て2バーディー、2ボギーの72で通算8アンダー、280で4位。賞金ランキングで3位に浮上し、今大会終了時点で同5位以内に与えられる「全英」出場権を得た。プロ1年目の今年5月にメジャー、サロンパス杯をいきなり制したシンデレラガールが、今度は世界に打って出る。

   ◇   ◇   ◇

ホールアウト後はもう、笑顔、笑顔だった。渋野は、最大瞬間風速20・7メートルを記録した台風並みの悪条件下、4位に入り、賞金ランキング3位に浮上した。今大会中は、自身にプレッシャーをかけるため全英出場を意識しながらプレーした。しっかり権利をつかみ取り、「スコアをぼこぼこ落とさなければ大丈夫かなと。担いでくれたキャディーさんのベストが10位タイ。それを更新しようと思ったので、できて良かった」と頼もしく話した。

今大会終了時点で賞金ランキング5位以内に全英切符が与えられるが、大会前は同8位で、最低でも7位以内が絶対条件だった。前半は1バーディー、1ボギーで乗り切ったものの、後半11番でボギーが先行。これ以上落とせない状況も、15番パー3で7メートルを沈めて踏みとどまった。「伸ばせなかったけどオーバーは打たなかったので。ちょっとは成長しているかな」と笑った。

初勝利がメジャー大会の離れ業をやってのけたが、同時に目標だった賞金シード権をほぼ手中にし、目標を見失いかけた。約1カ月悩んだが、その後自身の変化に気づき「1試合1試合、1打1打に集中して頑張る」と切り替えて復調した。

初の海外メジャー。海外経験は一昨年、タイに行ったくらいという。全英の印象も「セントアンドリュース!」と男子の開催地を挙げるほど。前日、英国まで約13時間のフライト時間に「腰が痛そう…」と話したが、この日は「賞金もらったんでファーストクラスで!」とちゃめっ気たっぷりに話した。サクセスストーリーにはまだまだ続きがある。【松末守司】