黄金世代の渋野日向子(20=RSK山陽放送)が2位で決勝ラウンド(R)に進んだ。1打差2位から出て4バーディー、1ボギーの69で回り通算9アンダー。

首位と3打差2位で予選を通過し、初出場初優勝への期待が膨らんだ。アマチュアの安田祐香(18)は36位でメジャー2戦連続の予選突破。日本勢は6人が決勝Rに進んだ。同12アンダーのアシュリー・ブハイ(30)が首位を守った。

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日本から来た無名の20歳に世界が驚いた。3番で3メートルのパットを沈めて2連続バーディーとし、首位タイ浮上。16番では第2打を1メートルに付けて単独首位。リーダーボードの最上位で上がってきた。海外記者からは質問攻めにあい、米女子ゴルフ協会は、デビュー戦の「SHIBUNO」の快進撃をトップ記事で掲載。常に笑顔で回ることから「スマイリング(笑顔の)シンデレラ」と紹介した。

ホールアウト後、V争いを繰り広げたブハイがスコアを伸ばしたことで、首位と3打差2位で決勝Rへ。初出場初優勝の快挙達成へ、渋野も驚きを隠せない。

「やっちゃってますよね。優勝は必然的に考えてしまう。パットが入って、変な順位(首位)に行くじゃないですか。やっべぇなあ、と思って緊張しました」

平常心が強さの秘訣(ひけつ)だ。ホテルに戻れば動画を見ながら、持参した駄菓子を食べる。「好きな芸能人を見て癒やされて寝ます。EXILEの佐藤大樹なんですけど、カッコイイ。毎日、見ています」とまた笑顔。15番では、ティーグラウンドに寝そべっている少女と目があった。「めっちゃ笑ってくれた。そこから、付いてくれたんです」。笑顔でボールをプレゼントする場面が、世界に映像で流れていた。

日本女子では77年全米女子プロを制した樋口久子(現LPGA顧問)以来、42年ぶり2人目のメジャー優勝への期待が膨らんだ。「これで自信になったら、てんぐになってしまう」。心から喜ぶのは優勝した時。笑顔のシンデレラは、そう決めている。