渋野日向子(20=RSK山陽放送)が、最終18番の劇的なバーディーパットで、日本勢42年ぶりのメジャー優勝をつかんだ。
以下、渋野と一問一答<2>。
-18番グリーンに上がる時、すごい大歓声だった
渋野 誰に言ってるのかな~って思って、とりあえず手を振っておきました。うえ~いって(笑い)。私初めて(出場した)じゃないですか。誰? みたいな感じですよね。なのに、あんなにいっぱいいたので。手を振ったら私に「わ~」って言ってくれてるんだなって思って、やった~みたいな(笑い)。外国人の方が、頑張れって感じで言ってくれていたので。ハイタッチも日本人だけから、だんだん外国人や、ちびっ子も増えてきて。あ、じゃあって、巻き込んでましたね。
-米ツアーで、こういう興奮をもう一度味わいとは思うか
渋野 海外でですか?う~ん…。まあ多分、味わってみたいのかな? まあ、できればこういう思いはもうしたくないです(笑い)。この4日間、本当に辛かった。笑っていましたけど、気疲れ半端ない(笑い)。あの位置にずっといるというのは、気も使っていたとは思う。何回疲れたと言ったか、何回帰りたいって言ったか。やっぱシビアな長さのパットとか一番気が狂いますよ。
-この勢いで、日本でまた優勝したいか
渋野 まだ日本で十分に成績も出していないのに、海外でやる資格はないなと思っていて。まだ日本のトップレベルの選手にもなれていない。日本の経験も浅いし、やっぱり日本が好きっていうのもある。日本人のギャラリーさんって、グリーンに乗っただけで「うお~~!」って言ってくれるのがうれしい。まあ、ここもそうですけど。今回優勝してうれしかったですけど、日本が好きだなって改めて思いました。
-これで米ツアーのシード権を取ったが、出たい気持ちは出てくるか
渋野 全くないです。全くない。
-もしかしたら気持ちが変わるかもしれない
渋野 いや、全然ないです。(メンバー登録は)しないと思います。
-この大会は来年も出ますよね
渋野 まあ、出ないといけないですよね? ということで、出ないといけないので出ます。海外意識、本当にないです。今回はサロンパスで優勝して、出られるかも、ということだったので出てみたいと思った。でも、これから先、米国で戦っていくことを考えると、やっていけないなと感じます。移動もそうだし、まだ英語も話せない。絶対にそういうところでストレスになるし、日本でもっとレベルアップして、活躍したいのはこれからも変わらない。
-日本で実績を積み重ねたら心境が変わるかも
渋野 かもしれないですけど、本当に全然ないです。2020年まで決める権利があるんですか?
-20年シーズンをルーキーイヤーにするかどうかの登録期限はある
渋野 それを過ぎたらできないんですか? じゃあ(登録は)しないです。来年も日本で戦います。
-日本で賞金1億円というのに目標を上方修正するか
渋野 そこですね。とりあえず今年の目標は1億円突破。それに向けてまたやります。
-国内ツアーに加算はされないが、今回の賞金は約7400万円もある
渋野 本当に? 今年(日本で)稼いだ分が1発で? やっちゃっている! (その金額を聞いても米ツアーには)行こうとは思わない。日本が大好きです。
-あらためて、東京五輪出場への思いは
渋野 この優勝でどれくらい(世界ランクの順位が上がるのか分からないけど、この順位だけで東京五輪は絶対に決まらない。まだこれから何ケ月もある。気を緩めず頑張るしかない思っています。
-今年急成長した要因として、技術的な向上はあると思うか
渋野 今日を考えたら、追い込まれたときのパッティングの決まる率は完全に高くなっている。それも謎ですけど、やっぱりノルマ。ドリルのノルマが生きているのかな、と思います。始めたのが去年のステップ(下部ツアー)で、3時間くらいやっていました。4月、5月くらいですかね。マジで終わらんって思っていました、暗くなってもやっていましたから。(今大会でも)暗くはないけど雨も降っているし、寒いし。ストロークのことを考えずに最近は打てるようになっている。リズムとか、ラインのことも考えていますけど、とりあえず、緩まないようには心がけています。
-樋口さん以来の優勝、とんでもない快挙
渋野 まだまだですよね。全然、(宮里)藍さんとは比べものにならないので。でもこの優勝で日本を引っ張って行く存在に近づけたのかなとは思ったりする。でも、そう思ってしまうと、てんぐになってしまう。まだ下っ端です。今年の目標は、リランキングまでに頑張って2、3000万くらい(賞金を)取りたいな、と。シードを取りたいと思っていたのが、サロンパスで優勝してしまい、結果を出すようになってしまい、もうちょっと静かに目立たないようにプレーしている予定だったんですけど、こうなってしまい…。
-うれしくはないのか
渋野うれしいっちゃ、うれしい。(騒がれるのは)嫌いじゃないです。全然、フツーにうれしいです。
-スマイルシンデレラと呼ばれるようになったことについては
渋野 何言ってるんだろうって、シンデレラは違うだろって…。スマイルなに? (私は)オバケでいいよっ。(女子力は)上がっていません。