9位から出た松山英樹(LEXUS)が、10バーディー、1ボギーの63で回り、通算20アンダー、268で今季、自己最高タイの3位に入った。年間総合ポイントランキングは、大会前の33位から15位に上昇。上位30人のみが進める最終戦(22日開幕)の6年連続出場となる切符を、土壇場でもぎとった。ジャスティン・トーマス(米国)が、通算25アンダーで優勝し、通算10勝目を挙げた。

最終18番で10個目のバーディーを奪うと右手を掲げ、満足感に浸った。松山は第2日に続き「63」と大爆発し、9位から3位に食い込んだ。「昨日、悪かったけどよく持ちこたえられた。良いプレーができたんで良かった」と手ごたえを口にした。

前日、ボギーだった1番でチップインバーディーを決めると、5番から3連続バーディー。さらに、9番から再びの3連続バーディーと一気に加速した。14番で8メートルのロングパットを決め、15番も1・5メートルを沈めバーディーを奪取。首位と絶望的な10打差からスタートしたものの、一時は3打差に詰め寄るなど神懸かり的な追い上げ。

16番でボギーをたたき優勝圏内からは脱落したとはいえ、世界のトップシーンに戻ってきたことを自ら証明してみせた。「成長と言うなら成長でいいと思うし、戻ったというなら戻ったでいいと思う」と自信を深めていた。

年間の総合ポイントは、大会前の33位から15位に浮上し、6年連続で最終戦に進出した。今年、他に6年連続出場はリード(米国)だけ。上位30位の圏外から最終戦の切符を手にした選手も、松山を含めたった3人のみ。世界トップがしのぎを削る重圧のかかる舞台で、連続出場を逆転で決め、「うれしいなと思います」と素直に喜んだ。

今年から最終戦は、ポイント差をスコアに反映させるため、15位の松山は3アンダーで、10アンダーからスタートする首位には、いきなり7打のビハインドがある。さらなる奇跡が求められるが、「なかなか追いつくのは難しいと思うけど頑張りたい」。気力を振り絞り、最後まで頂点をめざす。

◆プレーオフ 07年に始まって以来、全4試合で行われたが、今季から3試合になる。レギュラーシーズンのポイントランク(PR)上位125人が、第1戦に臨み、第2戦以降は70人、30人と絞り込まれる。最終戦は、第2戦までの総合ポイントランキング順に、1位は10アンダー、2位は8アンダー…とアドバンテージが付与される。15位の松山は、3アンダーからスタートする。最終戦の勝者がそのまま年間総合王者となり、1500万ドル(約16億5000万円)の超ビッグボーナスを得られる。