首位から出た石川遼(27=CASIO)が7バーディー、1ボギーの66で回り、通算11アンダーで暫定ながらトップを守った。

2位に2打差をつけ、2大会連続優勝へ首位固めに入った。アイアンショットの精度を上げることに重点を置き、好結果につなげている。第2ラウンドは大雨の影響で日没サスペンデッドとなり、59人がホールアウトできなかった。

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前半から一気にいった。石川は前日は後半からのチャージだったが、この日は前半からギア全開。4番で4メートルを沈めてバーディーを奪うと、1つ挟んで7メートルを入れた6番から怒濤(どとう)の4連続バーディー。後半に入ると雨が強くなりパーを並べたものの、ボギーを打った後の17番で11メートルのロングパットを強気に決めてすぐに取り返し、日本プロ選手権(7月4~7日)に続き、2日間で首位を堅持した。フィニッシュ後にさらに雨が強まり「多少は運があった」と笑った。

アイアンショットに磨きをかけてきた。飛距離を出す外国勢と対等に戦うために出した答えは「飛距離を伸ばすより、飛んで曲げない人とグリーンに行ったら同じくらいの距離にいるというところで戦う」。飛距離でも外国勢と互角に渡り合う松山英樹とは違う道からの世界へのアプローチだが、1月のシンガポールOPで同組だった、米ツアー10勝のセルヒオ・ガルシア(スペイン)から学んだ。飛距離で5ヤード劣り、グリーンに行くとさらに差が開いた現実に、目指す理想を明確にした。「アイアンはゲームで大事。良いショットの割合は増えた」と話す。

この日は半分の選手がフィニッシュできなかったため、パーオン率はでなかったが、前日は77・78で全体2位。高い数字をたたき出したとはいえ、目指すところはもっと先にある。「パーオン率を比べても意味がない。自分が(ピンから)10メートルのところに乗っても、ガルシアが5メートルに乗っていたり、そういうところで全然変わってくる」。

今年は腰痛の影響で戦線を離脱する苦しみを味わったが、日本プロ選手権では、2度のダブルボギーをたたきながらも諦めず勝利を引き寄せた。「大たたきするには理由がある。あそこから戻せたことは良いきっかけ。一皮むけた感覚ある」。自身初の2連勝で世界再挑戦の足がかりにする。【松末守司】